緊急事態宣言が解除されて、学校や飲食店が再開するなど少しずつできることが増えてきました。都内にある公共のテニスコートはまだ使用できませんが、テニススクールや民間のテニスコートを借りてテニスをする人たちが増えてきました。
これからは部活やテニススクールなどで本格的な練習を再開するという人も多いでしょう。そんなあなたに今だからこそやっておくべきことをお伝えしたいと思います。
それは目標を再確認することをすることです。コロナが収束し大会や練習が本格的に始まるようになるとつい目先の結果を追い求めて、目標をおろそかにしがちになります。目標を確認でれば気持ちが上がってきますし、今やるべきことが明確になります。
だから、本格的な活動が始まる前に、目標を確認しておくことをおすすめします。
ということでここからは目標設定の一つのコツとして、
テニスの錦織圭選手が所属しているIMGアカデミーの創設者、ニック・ボロテリー氏が推奨している「SMART」の特性を活用した目標設定を紹介していきます。
「SMART」とはSpecific(明瞭性)、Measurable(測定可能性)、Attainable(達成可能性)、Relevant(適切性)、Timeframe(期間)の頭文字をとった言葉です。この5つの要素を考慮することで目標がより明確になりスムーズに前進していくことができるようになります。一つずつ見ていきましょう。
Specific(明瞭性)
具体的な目標設定をすることです。「強くなりたい」「フットワークを強化する」といった個人目標では具体的な内容が不十分です。山の頂上に例えるなら、標高がわからず、どれくらい険しいのかもわからない山です。上を見上げてもどこが山頂かよくわかりません。
だから目標は漠然とした内容ではなく具体的な内容で設定しましょう。具体的な目標を立てられれば、それを達成させるために何をやるべきかが明確になりますし、モチベーションにもなってきます。
Measurable(測定可能)
目標を達成できたかできていないか測定できる目標にすることが重要です。ゴール設定でも取り上げた「数値化」することが一つのコツです。
例えば、強くなる→○○の大会でベスト4に入る。ワイドサーブの確率を高める→ワイドに10球中8球に入れられるようにする。このように数値を盛り込むことでより具体的目標にすることができます。
Attainable(達成可能性)
プロセス目標は達成できるものにする必要があります。仮に、地元の大会で優勝できない選手が全日本ベスト8を目標に掲げたらどうでしょうか。達成するイメージがわかず「どうせできないだろう」と考えて、結局挫折してしまいます。目標設定したせいで前進しにくい状況を作りあげてしまうことになりかねません。このような場合、まずは地元の大会で優勝すること、と身の丈に合った目標を設定するのがポイントです。
あなたが無理のない努力をすれば60%~70%の確立で達成できるものを目安にしてみるといいでしょう。自分自身をできるだけ客観的に見つめて、もし難易度が高すぎる目標をかかげてしまっているなら調整するようにしましょう。
また、外的要因に影響されない目標にすることも一つのコツです。外的要因とは「環境」「他人」「出来事」です。これらは自分でコントロールできません。大会で優勝するという目標を掲げても、自分よりもはるかに速い選手がエントリーしていれば優勝はとても困難になります。その場合は、自分の努力次第できる目標にするとよいでしょう。例えば、一週間のうち自主トレでランニングを合計30キロ走るなどです。
Relevant(適切性)
その目標が優れたプレーヤーになることに直結しているのか確認しましょう。自分が勝てる大会ばかりで入賞することを目標にしていたらどうでしょうか。それでは自分より格上の人たちに勝てるようになりません。これは適切とは言えません。
適切なプロセス目標を設定できているか「この目標を達成したら、優れたプレーヤーになれるか?」と自問自答して、確認するようにしましょう。
Timeframe(期間)
目標には期限を設けるようにしましょう。大会に照準をあわせるなら日程が決まっているので問題はないでしょう。しかし、「○○ができるようになる」「××を克服する」のような目標を立てようとした場合、期限をスルーしがちになります。
その目標を短期間で達成できるのか長期間取り組むべき事なのか見通して、「何月何日までに○○ができるようになる」と期限を決めて多くことで集中して取り組むことができるようになります。
ぜひ時間をとってノートに書きながら目標を書き出してみてください。上記したように、目標を明確にすることで気持ちが上がり、やるべきことがクリアになります。練習の質が高まるはずです。