他人との間でなにか気分を害することを言われてそのことにイライラして、これからやろうとしていることに集中できない。そんな経験はありませんか?
その出来事が頭から離れずイライラした状態で仕事をしたとしても集中して取り組むことができません。そんなときはできるだけ早く「切り替えて」今やることに集中する方が絶対に生産的です。
今日は、そんなイライラやモヤモヤを引きずらず、すぐに切り替える思考法をお伝えします。
それは、過去を手放すために「ごめんね」と思ってみること。
どういうことかをお話しする前に、つい最近の些細な出来事をお話しします。
私が車を運転していて、T字の交差点で信号待ちをしていたときのこと。
私が停車していた道路は道幅が狭く、左側の歩道の線にかからないように停車すると、対向車が来たときに通れなくなってしまうため、左側歩道の線をまたぐ形で停車しました。信号が青になるのを待っているとき、後ろから自転車が私の車の左側(歩道側)を通り過ぎようとしていました。
すると、通り過ぎる際に「狭いんだよアホ!」のような言葉を私に浴びせながら通り過ぎていきました。正確な言葉は聞き取れていませんしあまり覚えていませんが「アホ!」という言葉は確かに聞こえました。
その後、私のイライラ・モヤモヤが数十秒続きました。
「俺は対向車に気を配って停車したんだ」
「徐行すれば安全に通れたはず、そもそも歩道をスピード出して走る方が悪いだろ」(それに交差点の赤信号を無視して左折した)
「文句があるなら立ち去らずに抗議しに来い、来ないなら文句を言うな」
「器が小さいな」(と思っている私も同様ですが)
などと頭の中で直前の出来事でいっぱいになりました。
そのときに気持ちを切り替えるために頭の中で考えたのが「ごめん」という言葉です。
すると次いで「自分も悪い部分があった」と思えるようになり、イライラ・モヤモヤの気持ちが収まり運転に集中することができました。
イライラやモヤモヤは「人」が絡んでいる「過去の出来事」から生じることがほとんどです。売り上があがっていない自分にイライラするなどイライラ、モヤモヤの対象が自分の場合もありますが、多くは他人が絡んでいます。
上司からお小言をいわれたり友人のせいで自分が不利益を被ることになったりするなど、あなたがここ最近でイライラ、モヤモヤしたことも他人が関わっているのではないでしょうか。そしてその出来事でしばらくのあいだ、そのことで頭がいっぱいになっていたのではないでしょうか。
また、人は自分が正しいと思ったことを行っていて、自分の正当性を示したい生き物です。
上記の運転中の例でも、私は「対向車が通れるスペースを作るために左によって停止する」という判断をしました。一方で自転車の方は運転している私に「歩道側をふさぐな」と思っての正当な発言だったのでしょう。
どちらかが正当かは交通ルールを調べればどちらが正しくてどちらが間違っていたというのは白黒はっきりするかもしれませんが、自転車方は自分が正当だと思って私に何かを言ってきました。
このときに「アホ!」と言われたことに対して私の正当性を誇示しようと考えると、その出来事に頭が持っていかれていつまでたってもイライラ、モヤモヤが解消されません。
そこで、「ごめん、自転車のあなたの邪魔をしてしまいましたね。」と許す気持ちを持つことで、その出来事を手放すことができて心が安定してきます。
「ごめんね」という言葉が相手の視点になって、自分の過ちや足りなかった点に目を向けるトリガーになっているのです。
この言葉は自分が自分に対してイライラしているときにも有効です。自分がやったことが上手くいかなかったときに「ごめんね」と思ってみると、上手くいかなかった自分を許すようになり、気持ちが落ち着いてきます。
他人に「ごめんなさい。あなたが正しいです。」と言いましょうという話しではありません。
何かにつけて謝ってしまうと自分の過ちを認めてしまうことになりますし、自分自身が弱い立場だというセルフイメージがついてしまいますから、なんでもかんでも誤ればいいものではありません。
自分の心のために相手を理解して「ごめんね」と思ってみる。思ってみるだけ過去生じたネガティブな心の状態が清算されて、今行おうとしていることに集中することができるのです。
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